今回は自宅トレーニング用途でのストレートタイプバーベルシャフトの選び方を、私がこれまで複数のバーベルシャフトを実際に使用した経験を踏まえて徹底的に解説していきたいと思います。
とりあえず今回はアイロテックの商品を中心に他メーカーのものを含めて紹介していきたいと思います。
ストレートバーの基礎知識・選び方
まずはストレートタイプのバーベルシャフトの基礎知識について説明していきます。
ストレートバーは名前の通り真っすぐなバーベルシャフトです
ストレートバーといえば、名前の通り真っすぐなバーベルシャフト(画像上)です。
バーベルシャフトはストレートバー以外にも、グリップ部がWの形になっているWバー(EZバー、画像下)、手を縦向きにグリップできるトライセプスバー、デッドリフトをするときに膝に当たらないヘックスバーなどが存在します。
オリンピックタイプかレギュラータイプか
ストレートバーに限らず、バーベルシャフトにはオリンピックタイプとレギュラータイプが存在します。
違いはプレートをはめるプレートスリーブの径の違いで、
- オリンピックタイプはφ50mm
- レギュラータイプはφ28mm
となっています。
特に、φ28mmのレギュラータイプは、プレート可変式ダンベルなどでもよく使われるサイズなので、既にそのようなプレート可変式ダンベルを持っている場合はプレートを使いまわしすることができます。
バーベルの長さ、特にグリップ部分の長さに注意して選びましょう!
さて、自宅トレーニング用で選ぶときに気になるのは「長さ」と思いますが、
実は一番気にしなければいけないのは「グリップ部の長さ」です。
今回はバーベルの長さに加えて、「グリップ部の長さ」にも注目して徹底解説していきたいと思います。
身長177cmの私のワイドグリップ幅が約100cmなので、その前後のグリップ幅で若干できること・できないことが変わってきますので、
その点も踏まえて説明していきたいと思います。
尚、バーベルの全長については様々なメーカーが様々な長さを出していますが、
今回は私がよく購入しているアイロテックの製品が販売している長さ、それぞれ120cm、160cm、180cm、200cm、オリンピックバーベル(220cm)に分けて説明していきたいと思います。
グリップ部の長さについては、全長からプレートスリーブの長さx2を引いてあげれば求めることができます。
(※もちろん、グリップ部とプレートスリーブの境目の数センチの段差の分誤差はあります。)
グリップ幅80cmの120cmのバーベルシャフトはWバーがおすすめ!スペースを取らず用途が多いので一本目に!
120cmのWバー
120cmのバーベルシャフトはバーベルの中でも一番短いタイプになります。
長さが短いためスペースもとらず価格も安い上にこれ一つで様々な種目ができるようになるので一本目におすすめです。
アイロテックはこの長さのストレートバーを販売していませんが、トレーニング用品メーカーですとピュアライズなんかが販売しています。
ピュアライズのものは、
- グリップ部は約78cm
- プレートスリーブは21cm
- 耐荷重は70kg
となっています。
調べた限りでは、120cmのバーベルのプレートスリーブはスクリューカラーのものしかありませんでしたので注意です。
Wバーになりますが、参考にプレートスリーブ180mmの例です。
これはダンベル40kgセットのプレートをつけれるだけつけています。
更に重くしたい場合は別途10kgプレートやそれ以上のプレートを購入するのがいいでしょう。
120cmのバーベルでできること
グリップ部が約80cmなので、脇を締めたグリップ幅や、脇を少し開いたグリップ幅での使用が可能です。
例えば、上腕、前腕の種目全般や、スタンダードグリップのベントオーバーローなどですね。
120cmのバーベルでできないこと
グリップ部が80cmと比較的短いためワイドグリップですとちょうどグリップ部ギリギリか若干足りないぐらいになってしまうので、肘を曲げた際にプレートが当たり若干窮屈かな(身長177cmの使用感)という感じはしますが、身長によっては問題ない場合もあるでしょう。
以下ミリタリープレスを参考に、グリップ幅約100cmのストレートバーとの比較です。
(ミリタリープレスはワイドグリップとスタンダードグリップの間ぐらいです)
基本的にラック類との併用は不可です。
ナロータイプのベンチプレス台との組み合わせも、セーフティラックを入れる幅が無いため、高重量での使用は危険です。
肩のアップライトロウは、5kgプレートなら対応可能ですが、10kgのプレートをつけると私の場合はプレートが前腕にあたってしまい動作を行うことができませんでした。
特に理由がない限り、120cmのバーベルはWバーがおすすめ!
120cmといえば、各社が販売しているほとんどのWバーの長さと同じなので、「将来的な」使用用途を考えるとこの長さの場合Wバーを買ってしまうのが非常におすすめです。
というのも、トレーニングを進めていった場合、必ずと言っていいほど将来的には更に長いストレートバーの購入が必須になるからです。
長いシャフトは基本的にストレートバーになってしまうので、ストレートバーが何本も何本もあるよりかは、バーベルのバリエーションがあったほうがトレーニング環境は向上するからです。
120cmのストレートバーでできることは、それ以上の長さのストレートバーでもできますからね。
ストレートバーを追加購入したとき、Wバーは腕のトレーニングのメイン器具になるでしょう。
Wバーについては比較とレビューをしているのでそちらの記事をどうぞ。
グリップ幅100cmの160cm、180cmのバーベルシャフト
これは160cm
120cmの次の長いのが160cm、その次に長いのが180cmとなっています。
なぜここで同じくくりにしているかというと、実はアイロテックの160cmのストレートバーと180cmのストレートバーは、グリップ部の長さがそれぞれ1020mm、1060mmとほとんど変わらないからです。
違うのはプレートスリーブの長さとなっています。
ですから、特に理由がなければ160cmのものを購入すればいいと思います。
高重量を作りたい場合、結局は20kgプレートを重ねていくことになりますし、180cmにしたからといって結局グリップ部の長さはほぼ同じなので、パワーラックで使えるようになるわけでもありません。
短いほうがスペース上の問題扱いやすいでしょう。
参考に、私が所持しているアイロテック160cmストレートバーのプレートスリーブの様子を画像で紹介します。
下の画像は同じくアイロテックのWバーです。
プレートスリーブ280mmと言ってもだいぶプレートを入れる余裕があることがわかります。
ちなみに画像は約63kgです。
アイロテック、160cmのストレートバーベルシャフトについては以下の記事でレビューしているので参考にどうぞ
160cm、180cmのバーベルでできること
グリップ部が約100cmになることで、ワイドグリップで使用することができます。
そのため、基本的にはバーベルの種目は耐荷重が許す限り全て行うことができます。(ただしラックとの併用は厳しい)
ちなみに、アイロテックの160cmのストレートバーの耐荷重は200kgです。
1mの長さが確保されていれば、ワイドグリップで肘を曲げても肘がプレートにあたることはありません。
アップライトロウでも大きいプレートをはめて使用することができるようになります。
160cm、180cmのバーベルでできないこと
先ほど書きましたがセーフティラックを入れるスペースがないので、ベンチプレスやスクワットを高重量で使用することはできません。潰れた際に非常に危険です。
一部このサイズでも使用可能なパワーラックも存在しますが、基本的にはラックと併用するサイズではありません。
グリップ幅122cmのワイドグリップ180cm、200cmのバーベルシャフト
多くのトレーニング用品メーカーが販売しているレギュラータイプの中では一番長いタイプになります。
アイロテックについては、ワイドグリップ180cmというものを販売しており、全長は180cmなものの、グリップ幅を通常より広くとり、その長さは200cmのものと同じ商品が存在します。
それぞれグリップ幅は1225mmと、比較的余裕を持った長さとなっています。
ワイドグリップ180cm、200cmのバーベルでできること
アイロテックが販売しているパワーラックで使用することができる長さですので、基本的にはバーベルを使った全ての種目を行うことができます。
ナロータイプのベンチプレス台でもセーフティラックのスペースはありますが、
200cmの長さですと長すぎて重量バランスをとるのが難しくなるため注意です。
その他としては、バーベルの耐荷重の点だけに注意しておけばいいでしょう。
ワイドグリップ180cm、200cmのバーベルでできないこと
オリンピックバーベルのグリップ幅より実は少し短いため、パワーラック、ベンチプレス台によっては使用できない場合があります。(オリンピックバーベルシャフトのグリップ幅は131cm)
商品の横幅に注意しましょう。
オリンピックバーベルシャフト(220cm)
最後はオリンピックバーベルシャフトです。
競技などで使用されるもので、サイズなどは基本的に規格で決められています。
全長は220cm、プレートスリーブは約390mm、グリップ部は約1310mmとなっています。商品によって数センチの違いはありますが、基本的には同じサイズです。
レギュラータイプのバーベルと異なり、プレートスリーブがベアリング内臓の回転式となっています。
そのため、バーを持ち上げる動作をするときに、プレートが抵抗になって動作が妨げられることがなくなります。
耐荷重によってはメーカーによりけりで、価格が安いものは200kgほどとなっています。
また、商品重量も競技用は20kgとなっていますが、商品によっては18kgだったりします。
BULLやIVANKOなどの高価な商品と安価な商品の違いとしては、耐荷重(BULLは500㎏)と、重量20kgの誤差の少なさです(BULLは重量精度±1%以下)。
かなりハードにトレーニングする方は、場合によってはデッドリフトなど使用重量が200kgを超える場合が出てくると思いますので、一応耐荷重350kgのボディメーカーのオリンピックシャフトPROを以下に紹介しておきます。
BULLやIVANKOになると、6万や10万と結構値が張ります(が、ブルは団体公認なので5万ははっきり言って破格ですね)。
余談ですが、アマゾンではYYというメーカーがレギュラータイプの220cmシャフトを販売しているので、レギュラータイプのプレートを使い回ししたい方でオリンピックサイズのシャフトが欲しい場合はそちらがおすすめです。
プレートの整理にプレートシャフトラックがおすすめです!
ストレートバーを購入すると、結構置き場に困ったりします。
そういったときに便利なのがプレートシャフトラックです。
プレートが整理できるのはもちろんのこと、シャフトも縦に置くことができるので非常に部屋がすっきりしますよ。
まとめ
さて、全長やグリップ幅を中心に各ストレートバーについて解説してきました。
もちろん部屋のスペース上全長は気になるポイントですが、自分がストレートバーを購入し何がしたいのかが一番重要です。
自分の使用用途を満たすものを選んでください。
とりあえず1本目は120cmのWバーに購入し、2本目にそれ以上の長さのストレートバーを購入するのがいいでしょう。
ベンチプレスやスクワットをするなら最低ワイドグリップ180cmのストレートバーが必要ですね。セーフティラックをひっかけることのできるスペースは必須です。
その予定がないなら160cmでも問題ありません。
パワーラックと併用する場合は、ワイドグリップ180cm or 200cm or オリンピックバーになります。
パワーラックによってはオリンピックバーベルしか対応していないものもあるので注意です。
参考になれば幸いです!
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