前回のスプロケットの交換方法に続き、今回はバイクのチェーン(カシメ式シールチェーン)交換のやり方について解説していきます。
チェーン交換は特に工具が命!安物も売ってはいますが、管理人自身それで一度失敗してしまったので、確実に作業を行うならば信頼あるブランドの工具を選ぶようにしてください。
チェーン自体走行中高速で動き続ける部品ですので、万が一作業に不備があり走行中にチェーンが外れたりしたら大問題です。
スプロケット交換はこちら:

必要なもの
まずは必要なものからです。
新しいチェーン:サイズを調べておく、リンク数はあとからカットし調節可能
まずは新しいチェーンです。今回管理人はD.I.DのZVM-Xにしました。
チェーンにはサイズがあるので間違えないようにしてください。サイズは530や520のように数字三桁の表記になっています。
スプロケットの交換方法の記事でも紹介しましたが、サンスター公式にある適合検索では純正のチェーンサイズ、リンク数を確認することができるのでそちらを確認するのがおすすめです。
FZ1 FAZERの場合は122リンクですね。D.I.DのZVM-Xについては、カットされリンク数を調節済みのものを選ぶことができました。
対応リンク数のものがなくとも、後からカットすればリンク数を調節することができるので問題はありません。
チェーン工具:D.IDのかし丸君が絶対おすすめ!ここをケチると本当に後悔する!
19mmと27mmのメガネレンチも必要です
お次はチェーン工具ですね。チェーンカッター、圧着・カシメツールのセットです。
安物は3,000円ぐらいからありますが・・・ここは絶対にケチらないでください!安物はレビューを見ていただけたらわかりますが、ピンの曲がりなど粗悪なものが多いようです。実際に購入したもののちゃんと使えず、後日チェーン工具を購入しなおし結局まともなものを購入していたほうが安上がりになってしまった、次の工具が届くまでバイクが乗れない状態になったなどの問題が起こる可能性があるので、初めから信頼あるメーカーのものを使用するのがおすすめです。
管理人も今回実際に使って非常に使いやすかったので、特におすすめのチェーン工具はD.I.Dのかし丸君です。別途19mmと27mmのメガネレンチが必要なので合わせて用意しましょう。
D.I.Dのかし丸君は、パーツ単体でも販売しているので、万が一部品を壊してしまった時も部品ごとに購入できる点もおすすめです。(強度も全く問題ないので間違った使い方をしない限りは壊れることはないと思います。)
D.I.Dは実際にかし丸君を使ったチェーン交換の作業の様子をユーチューブで公開しているので、こちらを参考にすれば作業に迷うことはないと思われます。
カスタム虎の穴2 タイヤ・チェーン編
チェーンの基礎知識が漫画で学べるため非常におすすめです!
チェーン交換のやり方
というわけでさっそく解説に移ります。
スプロケットも同時に交換する場合は以下の記事も参考にしてください。基本的にはチェーンとスプロケットはセットで交換するのが普通です。スプロケットの磨耗が進んでる場合、チェーンの寿命が著しく短くなります。

D.I.Dのかし丸君には取説がついているのでそちらはしっかり読んでいただくとして、写真をダイジェストに紹介していく形になります。
先程紹介したD.I.Dのチェーン交換の解説動画は本当に参考になるのでそちらも是非見るようにしてください。
チェーンをカットする
まずはチェーンカットからですね。
チェーン工具を仮止めし、しっかり垂直にピンが立っているのを確認します。
このとき、後で古いチェーンと新しいチェーンを交換する際にタイラップで仮止めするので、チェーンプレートの右側のピンを抜くようにするのがおすすめです。
ピンが問題無ければ、メガネレンチを使ってボルトを締めていきます。
ピンがしっかり抜けていることを確認しながら作業を進めてください。
ボルトを回すとピンが徐々に抜けていきます。
そのままボルトを締めていくと途中でピンが抜け落ちます。
ピンが抜け落ちたら、ボルトを緩め、チェーン工具を外してください。
無事カット完了です。
古いチェーンと新品のチェーンを仮止めし、一周させる
チェーンカット後に古いチェーンをすぐに取り外すのではなく、新しいチェーンとの交換に古いチェーンを使用します。
古いチェーンをスプロケット上側あたりに持っていき、新しいチェーンと古いチェーンをタイラップを使って仮止めします。
(完全に古いチェーンを取り外し新品のチェーンを通すこともできますが、作業がしづらくおそらくイライラすること間違いなしなのでおすすめはしません)
新しいチェーンにはグリスが塗られているので、そのまま地面に置くと砂だらけになってしまうので注意しましょう。
古いチェーンをゆっくり引っ張っていくと新しいチェーンが引っ張られ交換することができます。
一周させたらタイラップを外し、スプロケットにチェーンを引っ掛けて固定します。
このとき、ホイールが後ろ側にずれているとチェーンの長さが足りずスプロケットにうまく引っかからないこともあるので、しっかりとホイールを車体前側にずらすようにしておきましょう。
チェーンのリンク数の調整が必要な場合は、ここで余分な部分の数を確かめカットしましょう。
ジョイント部分を組み付ける:各部たっぷりグリスを塗ること!
次にジョイント部分を組み付けていきます。
ピン部分とOリング(Xリング)の両面にたっぷりとグリスを塗ります。
ブッシュ部分にもしっかりグリスを入れます。
ジョイント部分を通し、Oリングを装着し反対側のプレートをかぶせます。
このときOリングには先程同様にたっぷりとグリスを塗りましょう。
プレートをかぶせて仮止めが完了です。
このとき、圧入前の反対側のプレートは殆ど入らず、ピンにほぼ乗っかっているような状態ですが問題はありません。
ジョイント部分の圧入
作業がしやすいようにジョイント部分を車体下部にもっていきます。
工具を使いプレートを圧入。
かし丸君の場合は、ピンの先端がプレートホルダーの溝に触れれば圧入完了です。
圧入完了です。
ジョイント部分のカシメ作業
次にカシメ作業です。仮止めをし、レンチで締めていきますが、締める前にはしっかりピンが正しい位置にきているかは必ず確認してください。
かし丸君の場合は、かしめピンの先端部分がプレートに接するまで締めます。
かし丸君の場合は、しっかりカシメられたかピンを使って確認することができるので、そちらを使い確認しましょう。
締めすぎてピンにクラックが入った場合は新しいジョイントにしてやり直す
締めすぎてカシメピンにクラックが入ってしまった場合、新しいジョイントで作業をし直す必要があります。
また、一度圧入したプレートについても再使用はすることはできないので注意してください。
ジョイント部分は単体で売っています。
チェーンのたるみ調整をする
チェーンのカシメ作業が終わったらチェーンのたるみ調整をし、交換作業は完了です。
余分なグリスを拭き取っておく
新品のチェーンにはたっぷりとグリスが塗られているので、余分なグリスは拭き取っておくのがおすすめです。
【重要】初期伸びがあるので、交換後数百km走ったら必ずチェーンのたるみ調整を再びする
チェーン交換後に調整し、1000km走行後のたるみ
チェーンには初期伸びがあるので、新品のチェーンに交換したあと数百km走ったら、再度チェーンのたるみ調整をしてください。(しかも結構がっつり伸びます笑)
走行後の温まったチェーンの場合、遊びが大きくなっているのでたるみ調整をする際にはしっかりと冷えた状態で行うようにしてください。
まとめ:チェーン交換は工具が命!
というわけでチェーン交換の解説でした。
管理人自身一度失敗してしまったからこそ言えることは、チェーン交換に工具は絶対にケチるな!ということです。
D.I.Dについてはユーチューブで解説動画もあるので、そちらをしっかり見てから作業に取りかかればスムーズに作業を行うことができるでしょう。
知識が無い人こそ道具には気を使うべきです。
スプロケット交換はこちら:

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