ウェイトトレーニングにおける主要種目である3つをまとめて「ビッグ3(BIG3)」と呼びます。
今回はビッグ3についてと、ビッグ3に加えて管理人が提案する初心者がすべき2種目を加えたビッグ5について書いていきたいと思います。
ビッグ3は「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」の3種目
ビッグ3というのは、
2.スクワット
3.デッドリフト
の3種目のことを指し、ウェイトトレーニングにおける主要な3種目のことです。
なぜこの3つの種目が一つにカテゴライズされているかについて以下に書いていきます。
コンパウンド種目で多くの筋肉を動員することができる
トレーニング種目は、動作に使われる関節の数により
1.コンパウンド種目(複合関節種目)
2.アイソレーション種目(単関節種目)
の2種類が存在します。
簡単に説明しますと、トレーニングで動作を行う際に関節が2つ以上動いている場合はコンパウンド種目、動作で一つの関節しか使わない場合はアイソレーション種目となります。
例えばわかりやすい種目としてスクワットを例にあげますと、股関節と膝関節の二つが動くので、コンパウンド種目となります。腕立て伏せなども肩関節と肘関節が動くのでコンパウンド種目ですね。
一方、アームカールは肘関節のみ、ダンベルフライやサイドレイズなどは肩関節のみ動くといった具合に、一つの関節しか使わない場合はアイソレーション種目となります。
関節を動かすのは筋肉です。複数の関節が動くということは、動作に多くの筋肉が動員されると言い換えることができます。
よってコンパウンド種目のビッグ3では多くの筋肉に同時に刺激を入れることができます。
大きい筋肉を使うため高重量を扱える
あとで個別に使用する筋肉は書きますが、ビッグ3では身体を構成する筋肉の中でも大きな筋肉をメインに使います。
例として、胸の大胸筋、肩の三角筋、太ももの大腿四頭筋、ハムストリングス、そしてお尻の大殿筋など。
筋肉が大きいということは、それだけ出せる力が強いということです。そのため、ビッグ3では高重量を扱うことができます。
重い重量を扱えるということは、筋肉に大きな刺激を与えることができます。
フリーウェイトである
またまたトレーニング種目のカテゴリー的な話になるのですが、ビッグ3はフリーウェイトという部類に入ります。
トレーニングを行う器具は主に
1.バーベル・ダンベル
2.マシン
の2つに分けることができ(他にもケーブルなどもありますが大別として)、マシンでは動作の軌道が固定されているのに対し、バーベル・ダンベルでは動作の軌道が自由(フリー)なため、自分自身で軌道をコントロールする必要があります。
そういうわけで、バーベル・ダンベルで行う種目はフリーウェイトと呼ばれたりします。
フリーウェイトでは自分自身で軌道をコントロールするためにバランスをとったり、軌道を保つためにターゲットとする主要な筋肉以外にも補助的に様々な筋肉が動員されます。
パワーリフティング競技の3種目である
さて、パワーリフティングという競技をご存じでしょうか?
オリンピックなどで目にする重量挙げ(=ウェイトリフティング)とは異なる競技で、ビッグ3の合計拳上重量を競う競技になります。
ビッグ3が先に生まれたのかパワーリフティングが先に生まれその3種目がビッグ3と呼ばれるようになったのかは調査していないのでわかりませんが、競技になるぐらい主要な種目であるともいうことができます。
次に各種目についてみていきたいと思います。
ベンチプレス:上半身の正面を中心に
ベンチプレスは、プレスベンチに寝転がり、バーベルを腕を使って上下させる種目です。
主に胸の筋肉である大胸筋を中心に、肩の筋肉である三角筋(の特に前側)や、二の腕の部分の筋肉である上腕三頭筋などを必要とします。
主に上半身の正面の筋肉に対し刺激を入れることができます。
種目名:ベンチプレス
メインターゲット:大胸筋中部~下部
サブターゲット:三角筋前部、上腕三頭筋
スクワット:下半身を中心に
スクワットは、ご存じのとおりスクワットですが、ウェイトトレーニングではだいたいバーベルを担いで行うバーベルスクワットのことを言います。
想像できるように下半身の筋肉を中心となりますが、腰をおろしたときに上半身をバーベルの荷重に負けないように真っ直ぐに保つため、背筋の筋肉である脊柱起立筋や、バランスをとるために腹筋など(つまり体幹)も必要となります。
下半身の筋肉については、膝関節を伸ばす動作(伸展)で太ももの前側の大腿四頭筋、そして股関節を伸ばす動作(伸展)でお尻の筋肉である大殿筋や太ももの裏側の筋肉であるハムストリングスなどが主に動員されます。
種目名:スクワット
メインターゲット:大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋
サブターゲット:脊柱起立筋、腹筋
デッドリフト:背中に刺激を入れることができる
デッドリフトは、床に置かれたバーベルを引き上げる動作を行う種目になります。
基本的には持ち上げる動作にはスクワット同様下半身、主に股関節を伸ばす動作(伸展)がメインになるのですが、バーベルを持っているのは腕であり、上半身が起きるのに合わせて上半身と腕の角度が刻一刻と変わっていくのが特徴です。
このため、腕や肩甲骨に健(筋)を持ち繋がっている背中の筋肉に刺激を入れることができるのがスクワットとの大きな違いになります。
ただし、背中の筋肉に刺激を入れることはできますが、背中の筋肉を主導に持ち上げているわけではないので注意です。これらの筋肉は主に姿勢を保つスタビリティ的に使われたりします。
スクワットと同様、荷重に対して体を真っ直ぐに保つために脊柱起立筋、そして猫背にならないように肩甲骨を制御するため僧帽筋、腕の動きに合わせて広背筋などに刺激が入ります。
また、バーベルを持ち保持するために前腕の筋肉、握力なんかも必要になってきます。
ベンチプレス、スクワットと違い背中の筋肉に刺激を入れることができるのが特徴ですね。
種目名:デッドリフト
メインターゲット:ハムストリングス、大殿筋、大腿四頭筋、僧帽筋
サブターゲット:脊柱起立筋、広背筋、前腕
更に「チンニング(or ベントオーバーロー)」「ミリタリープレス(or ショルダープレス)」を加えたビッグ5は絶対初心者は行うべき
さて、以上のようにビッグ3は、
スクワット→下半身
デッドリフト→背中
という具合に全身にまんべんなく刺激を入れるバランスのいい組み合わせということがわかりました。
ですが、これにプラスして肩と広背筋については個別の種目があってもいいのではないかと思うわけです。
というのも、肩の筋肉はベンチプレスでも刺激は入りますがあくまで補助的な形になります。肩の筋肉は上半身の見た目にも大きく影響を与えるので、個別にトレーニングしたい部位です。
また、背中の広背筋についてですが、デッドリフトで刺激を入れることはできますが、あくまで重力の向きに沿って動く腕に応じて広背筋に刺激が入るという部分が大きいように感じます。そのため、広背筋を主導に動作を行う種目も欲しいところです。
そこで、ビッグ3にチンニング(or ベントオーバーロー)とミリタリープレス(or ショルダープレス)を加えたビッグ3ならぬビッグ5を初心者が絶対行うべき5つの種目として私は提唱してみたいと思います!笑
チンニング(or ベントオーバーロー):背中の筋肉を鍛える
チンニングはいわゆる懸垂のことです。
ウェイトトレーニングで広背筋をメインターゲットとした場合、手幅を広めて行うワイドグリップチンニングになるのですが、たぶんこれからトレーニングをはじめるという人でこのワイドグリップのチンニングを普通に何回もこなせる人は0だと思います。
そこで、チンニングとほぼ同じ動作で負荷を調整できる種目として、ラットプルダウンという種目があるので、こちらがおすすめです。
ドアジムがあれば手軽に自宅で懸垂ができる!
ベントオーバーロー
もしくはフリーウェイトの場合、ベントオーバーローという種目が広背筋をメインに使った種目になります。
ベントオーバーローの動作は、バーベルを持ち上半身に角度をつけ、バーベルを引くような動作になります。
上の動画は「ドリアンロー」というタイトルの動画になりますが、ベントオーバーローのバーベルの持ち手を順手から逆手に変えただけの違いになりますので、ベントオーバーローの種目動画として参考にしてもらって構いません。
広背筋を動作させるときに補助的に使われる大円筋という筋肉があるのですが、こちらの筋肉についても脇の下の盛り上がりを作るのに非常に重要な筋肉になるので要チェックです。
また、ベンチプレスでは二の腕部分の上腕三頭筋に刺激を入れることができましたが、チンニング、ベントオーバーローでは力こぶにあたる上腕二頭筋にも刺激を入れることができます。
種目名:チンニング、ベントオーバーロー
メインターゲット:広背筋
サブターゲット:大円筋、三角筋後部、上腕二頭筋
ミリタリープレス(ショルダープレス):肩の筋肉を鍛える
最後は肩の筋肉である三角筋をメインターゲットとした種目になります。
ミリタリープレスは、肩を鍛えるバーベルを頭上へ持ち上げるオーバーヘッドプレス(ショルダープレス)系の種目の中でも、立って行うスタンディングであること、反動を使わずストリクトな動作である種目のことを言います。
バーベルを頭上へ押す動作には主に肩の筋肉である三角筋が使われますが、上腕三頭筋や、姿勢維持のために脊柱起立筋にも刺激が入ります。
種目名:ミリタリープレス
メインターゲット:三角筋前部~中部
サブターゲット:上腕三頭筋、脊柱起立筋
ダンベルでもOK!
さて、ここまでバーベルを使った動画で紹介してきましたが、これらのビッグ5はダンベルでも行うことができます。
自宅でトレーニングしたいという方は、ダンベル60kgセット(30kg x2)を購入してバーベルの代わりにダンベルを使ってトレーニングしてもかなりの効果は得られると思います。
それぞれの種目で30kgを軽々と使えるようなレベルになったころには結構体つきは変化してると思います。
上には、バーベルベンチプレスの代わりにダンベルを使ったダンベルベンチプレスの動画になりますが、他の種目でも
- ダンベルスクワット
- ダンベルデッドリフト
- ダンベルベントオーバーロー
- ダンベルショルダープレス
という具合にダンベルでも問題ありません。これらの種目の動画は私の動画チャンネルで公開しているので気になった方は見てください。
ただし、デッドリフトとスクワットについてはダンベルではすぐに重量不足になる可能性があるため、ちょっと工夫が必要かもしれませんね・・・・
上の動画はだいたい同時期に撮ったものですが、やはりベンチプレスに比べてスクワットとデッドリフトの使用重量には差があります(ベンチプレスだけ少しだけ時期が前のものになりますが)。
まとめ
ビッグ3に関連する知識と、+2種目を加えた私が提唱するビッグ5について書いていきました。
ボディメイクに絶対必要となるメイン種目になるので、これらの種目を中心にトレーニングメニューを立てていくのが大事になると思います。
たまにこれだけしとけばいいという記事も見かけますが、私は「これだけ」までは言いません。ただ中心になるのは事実ですね。
近くにジムが無い人の場合はダンベルを買って自宅でトレーニングを行うことも可能ですので、自身の環境に合った方法でトレーニングをしたらいいと思います。
ダンベルやバーベルなどのトレーニング器具については当サイトで詳細レビューをしているので、気になった方は下のリンクからどうぞ。
コメント
ベントオーバーローは広背筋よりむしろ僧帽筋に効きます
バーベルではなくダンベルを用いて可動域広めに取り、挙上の際に外旋の動きを取り入れるとさらに顕著です
ダンベルショルダープレスでは上腕三頭筋の活動は弱めです
そのため肩と腕を同一の日にトレーニングする上級者もいます
僧帽筋は上腕骨に停止部を持たないので、ベントローの動作(肩関節の伸展)で広背筋「より」僧帽筋にきくということは無いと思いますが。
もちろんフィニッシュで肩甲骨の寄せを意識したら僧帽筋にもしっかり刺激は入ると思います。
ダンベルショルダープレスについても、上腕三頭筋の活動は弱めというのは何と比較してですか。
ショルダープレスにおいて主動筋は三角筋ですので、上腕三頭筋の活動が補助的に使われているのは言うまでもなく事実です。
コメントは科学的根拠がある話なのか、あなたの感覚の話なのかどちらでしょうか?