さて今回はバイクのプラグ交換のやり方を私の現在のメインバイクであるFZ1 FAZERを例に解説していきます。
スパークプラグはエンジンを構成する重要なパーツの一つであり消耗品でもあるので、定期的にしっかりと点検・交換することでバイクのエンジンをより良い状態で保つことができます。
スパークプラグはエンジンを構成する重要なパーツの一つ、消耗品なので定期的に交換が必要
いわゆるプラグ交換と言われるもののプラグは、スパークプラグのことを指します。
メーカーとしてはNGKとかデンソーで、一つ300円とか800円ぐらいの価格で購入できます。
エンジンのシリンダーヘッドの上についており、シリンダーの中に入ってきた混合気(ガソリン+空気)が圧縮されたタイミングで点火させ爆発させる役割を担っています。
スパークプラグが正常に点火しなければガソリンの爆発に影響が出ますので、エンジンが正常に動作するかどうかにおいて非常に重要なパーツとも言えます。
スパークプラグは消耗品、交換時期は10,000kmごとぐらいでOK(管理人の独断です)
スパークプラグは消耗品ですので、定期的に交換する必要があります。
基本的には距離が交換時期の目安となっており、
- NGK公式サイトだと3,000km~5,000kmごと
- FZ1の取説だと13,000kmごと
となっています。かなり距離の差がありますね笑。
実際のところ、純正マフラーで特にエンジン回りのカスタムをしておらず、無茶なエンジンの使い方なんかをしていないのであれば、数万キロ走ったところで特に不具合という不具合は出ず普通に走れてしまいます。
抜けの良い社外マフラーを取り付けていて燃調の調整などしていない場合ではもう少し早いスパンでなんらかの不具合が出るかもしれませんが、いずれにせよそこまで気をはらなくても大きな影響を感じづらいパーツでもあります。
しかし、プラグ交換後は明らかにアイドリングの調子が良くなったことがわかるなど、やはり定期的にしたほうがいい整備であることは間違いありません。
直ちに走行に影響は無いが、できるならしっかりとしたほうがいい、というぐらいです・・・
個人的には、1万キロぐらいのスパンで交換できたら十分かなという感覚です。
プラグ交換で必要なもの・工具
プラグ交換をするにあたって必要なものです。
新品のプラグを必要数用意する(基本は純正品を用意してください)
まずは新品のプラグですね。
基本的には、メーカー指定のものを使用してください。普通バイクの取説などに書いています。
プラグは各シリンダーに一本ずつ取り付けられているので、自分のバイクの気筒数に合わせて必要数を購入してください。
単気筒のバイクなら1本、並列二気筒やVツインで2気筒のバイクならば2本という具合にです。
車種によっては一つのシリンダーに二つのプラグが取り付けられているツインプラグのもの存在しますので、この場合は気筒数 x 2の本数のプラグが必要になります。
FZ1 FAZERの場合、エンジンは直列四気筒でツインプラグではありませんので、4本購入という形になります。メーカー指定のプラグはNGKのCR9EK。一本800円ぐらいなので、4本で3200円ぐらいになります。
プラグには熱価を上げたり下げたりするカスタムがありますが、これはしっかりとバイクのことがわかっているかなり応用なカスタムなため、むしろメーカー指定のものを使用するようにしてください。
後はより高性能なイリジウムプラグというのもありますが、こちらについては好みで選んでみてもいいでしょう。
NGK公式では、イリジウムプラグに交換すると加速性アップ・燃費向上・性能の持続(交換時期が延びる)などの特徴があります。
カスタムしていないエンジンの場合、NGKならイリジウムIXがおすすめなようですね。
こちらプラグ本体。今回はプラグ交換の記事ですのでプラグの構造については省略します。
FZ1の指定プラグの電極は二つですが、良く見るプラグの場合電極は一つのものが多いですね。
プラグレンチ:マグネット付がおすすめ、サイズはバイクならだいたい16mmですが必ずプラグメーカー公式サイトで確認してください
次はプラグレンチです。
プラグ自体は普通の六角レンチでも回すことができますが、六角になっている部分まで高さがありますので、プラグを覆いかぶさるような設計になっています。
プラグによって使えるプラグレンチのサイズが異なりますので、サイズについては取り付け予定のプラグと対応するプラグレンチサイズをプラグメーカー公式サイトで確認してください。
バイクの場合だいたいは16mmで対応可能だとは思います。
以下NGK公式プラグレンチ六角対辺寸法と適合プラグタイプ(ページ下部にあります):
プラグレンチはマグネット付のものがおすすめです。
車種によっては奥まった場所にプラグがある場合もありますが、マグネット付ならば上の写真のようにプラグがレンチにくっついたままですので取り外しが簡単になります。
トルクレンチ:プラグのトルク管理は非常に重要!
最後はトルクレンチです。
まあなくても一応締めることは締めれるのですが、トルクレンチ自体はそもそもバイク整備の必須工具なのでもし持ってないのならば是非買っておいてください。
プラグはエンジンに直接取り付けるパーツです。
NGK公式よりプラグ取り付け時のトラブル例
万が一締め付けすぎてエンジン側を破損してしまったら、廃車もしくは修理するにしても非常に高額になりますし、トルク不足だと今度は逆にプラグの焼けすぎの原因や、外れてしまったらそもそもエンジンが動作しなくなったりします。
参考サイト:NGK公式 プラグ取り付け時のトラブル例
プラグ自体非常にデリケートな部品になりますので、締め付けトルクが雑だとエンジンの本来の性能が発揮されない場合もあります。
どうしてもトルクレンチが用意できない場合については、締め付け角度によるトルク管理方法もありますので、そちらについては後述します。
※トルクレンチは対応トルクによって複数販売されているので、今回はプラグ交換に必要なトルク(12Nmぐらい)に適したものを選択してください
おすすめのトルクレンチ:

エアダスター:プラグを外す前に埃を飛ばす
最後はエアダスター。
プラグを外したときに埃などがシリンダー内に入らないように、プラグを外す前に埃などを吹き飛ばすのに使います。
設備が良い場所ならばエアコンプレッサーなどがあるかもしれませんが、バイク初心者が自分で整備をやろうと考えてる場合普通そんなたいそうなものは無いと思われますので、普通に缶のもので構いません。
プラグ交換のやり方(写真はFZ1を使用、ダイレクトイグニッションタイプ)
さてここからはプラグ交換の解説に入っていきます!
今回プラグ交換のやり方を紹介するのに使う車両はFZ1 FAZERで、ダイレクトイグニッションコイルを採用したタイプになります(最近のスポーツバイクはほとんどこれ)。
車両によってはイグニッションコイルが別の場所に設置されており、プラグの頭部分にはプラグコードが伸びてるだけのこともあるので、その点は自分のバイクと見比べながら参考にしてください。
※イグニッションコイルは、スパークプラグを点火させるために必要な電圧を確保するためにバッテリーの電圧を昇圧するコイルのことで、ダイレクトイグニッションコイルはプラグ一つ一つにコイルが直接接続されています。
1.プラグにアクセスできるよう準備する(車種ごとに違うので確認してください)
まずはプラグにアクセスできるよう準備します。
スパークプラグはエンジンのシリンダーヘッドの上部に取り付けられています。
ネイキッドバイクならば簡単にアクセスできることが多いと思いますが、車種によってはカウルを外したりタンクを浮かせたりなど異なるのでそれは各自調べてください。
ちなみにFZ1 FAZERの場合は車体左側からプラグにアクセスしますが、ラジエターの固定ボルトを外してラジエターをずらさないと奥のほうのシリンダーについたプラグは交換できません。
かなりスペースが狭く、毎回ラジエターに手の皮膚を削られながら交換していますorz
最近のスポーツバイクの場合マスの集中化でエンジン回りがギチギチなので、プラグ交換が結構大変だったりします・・・
2.プラグコード、もしくはイグニッションコイルのカプラーとイグニッションコイルを外す
次はプラグコードやイグニッションコイルを外します。
FZ1 FAZERの場合ダイレクトイグニッションタイプのバイクになりますので、写真のようにカプラーを外す感じになります。
プラグコードの場合は、普通に引っ張れば外すことができます。
※古い年式のバイクの場合、プラグコードの接続にプラグキャップが必要になることもあるのでそこもチェックしといてください
イグニッションコイルを取り外したらこのようになり、この奥にプラグがついている形になります。
3.エアダスターで埃を吹き飛ばした後プラグレンチを使いプラグを外す
プラグを外す前に、エアダスターを使ってプラグ周りの埃を吹き飛ばします。
そのままプラグを外してしまうとシリンダー内に異物が混入するためです。
そして次はプラグレンチを使ってプラグを外します。
初めに軽く緩めたら後は普通に手で回したほうが早いのでそちらがおすすめです。
プラグレンチのハンドルを使っても外せますが、私は普通にエクステンションバー(以下の写真でレンチについている長い部分です)とラチェットレンチで外するのがやりやすいのでそちらを使っています。
あと手で回すときにもエクステンションバーのほうがやりやすいですしね。

プラグを外したらこんな感じになります。
マグネット付のプラグレンチなので、レンチを引っこ抜けば普通にプラグも一緒についてくる状態になります。
特に理由が無い限りはマグネット付のプラグレンチを選んでください。
FZ1は四気筒でプラグは4本使用しているので、全て外すと4セットになります。
今回はプラグの焼け色をチェックしたかったので、養生テープでどの気筒のプラグだったか後からわかるように目印をつけています。
上の黒いやつがダイレクトイグニッションコイルです。
ダイレクトイグニッションコイルは汚れていたらウェスなどで綺麗にしてください。
こんな感じで入ってた箱に入れて後から確認できるようにしてもいいですね
4-1.プラグを取り付ける(できればトルクレンチを使用してください)
次はプラグを取り付けます。
先に説明したように、プラグは締め付けトルクによっても性能に影響が出てしまうデリケートなパーツですので、基本はトルクレンチを使用してください。
締め付けトルクはバイクの取説に普通記載されています。FZ1 FAZERの場合は締め付けトルク12.5Nmです。
もしくは、以下のNGK公式にも書いています。
NGK公式・締め付け回転角によるトルク管理:
4-2.トルクレンチが無い場合のプラグの締付け
自分のバイクのオーナーズマニュアルに書いている場合もあるので確認してみてください
また、トルクレンチがどうしても使えない場合は締め付ける角度によってトルク管理する方法もあります。
角度によるトルク管理についても先程のNGK公式ページのページ下部にて解説されています。
参考までにFZ1 FAZERの場合は、手で締めた後に、1/4から1/2回転で仮止めと記載があります。
5.プラグコード、イグニッションコイル類を元通りに取り付ける
最後に(車種によっては)イグニッションコイルとケーブルを、もしくはプラグコードを元通りに取り付けていってください。
ちなみにダイレクトイグニッションの場合、ゴム部分が非常に硬いことがありますので、私はシリコングリスを薄く塗っています。
これでプラグ交換は完了となります。
まとめ:エンジンの性能に大きく関わるパーツですので定期的にチェックするようにしてください!
というわけでプラグ交換のやり方でした。
実際のところ、純正マフラーで普通に乗ってる分には数万kmプラグ交換をしなくても不具合を感じず問題なく走れたりしますw
車だと普通に乗ってる分には10万kmは大丈夫という話もありますしね。
ですが、抜けの良い社外マフラーで燃調を調整してなかったりすると、もっと短いスパンであからさまな不具合が出ることもあります。
いずれにせよ消耗品であることは間違いないので、車検ごととか、1万キロ毎、2万キロごととか自分で決めて交換したほうがエンジンの性能をより良い状態で維持できることは間違いありません。
ちなみに私の場合は、社外マフラーを取り付けており尚且つ燃調もしっかり調整してないのですが・・・ちょうど2万キロでエンジンが不調になるので、不調になったらプラグは交換するようにしています。
結構FZ1はプラグ交換がめんどくさいのでさぼり勝ちなんですよね・・・
もちろんNGK公式が言及してるように5,000km毎に交換とかできるのであればそれはベストであることは間違いないです!
まあバイクの取説に何キロ毎に交換とか書いているはずなので、一度チェックしてみてください。
わからない内容などがあれば気軽にコメント欄にて質問してください^^
それでは!
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