ウェイトトレーニングは高重量を扱うため正しく行わなければ怪我に繋がり危険です。正しいフォームでトレーニングを行えているかをチェックする方法の一つに、NSCAが提唱した「ファイブ・ポイント・コンタクト」という考え方があります。基本的には仰向けに寝転がったライイングでのポジションにおける考え方なのですが、シーテッドやスタンディングでのトレーニングでも応用は可能です。
※NSCA(ナショナル・ストレングス・アンド・コンディショニング・アソシエーション:National Strength and Conditioning Association)とは、1978年に設立されたストレングストレーニングとコンディショニングに関する国際的な教育団体で、ストレングストレーニングとコンディショニングに関する最先端の情報を論文投稿やウェブサイトを通じて世界中に発信し続けています。
ファイブポイントコンタクトの示す5点
ファイブポイントコンタクトにおける5点とは以下の5つを言います。ベンチプレスなどで寝転がってトレーニングを行うときにチェックしてみましょう。
1.頭
2.背中の上部、肩、肩甲骨
3.臀部(お尻)、背中の下部
4.右足
5.左足
これらの5つのポイントがしっかりベンチ、もしくは床についているかをチェックするのは正しいフォームで動作が行われているかチェックする簡単な方法です。これらの点で体が支えられているということは、動作中に体を安定させることができるので、怪我のリスクを減らすことができます。ファイブ・ポイント・コンタクトを意識することは、背骨と腰の部分をしっかりベンチ部で受け止めることになるので、高重量を扱うときに特に重要となるでしょう。
ライイングでのトレーニング種目
ファイブ・ポイント・コンタクトはベンチや床に寝転がる種目では簡単に意識することができます。ベンチプレスをはじめとし、例えばダンベルフライ、インクラインベンチプレス、ディクラインベンチプレス、ライイングトライセプスエクステンションなどが挙げられます。身長によっては床に足をつけない場合がありますが、その場合はステップのような高さを確保できるものを置けば問題ありません。このとき、足はしっかり地面を踏み、膝がお尻の高さにくるようなものを選びましょう。もし膝がお尻より高くなる場合はそのステップは高すぎます。
シーテッド、スタンディングでのトレーニング種目
シーテッドやスタンディングで行う種目でもファイブ・ポイント・コンタクトの考え方は応用できます。背中に板のようなものがあるのをイメージします。頭は自然な状態にし、肩を後ろに下げ胸を張るようにします。このとき肩甲骨はわずかに寄せてください。背筋については真っ直ぐ保ち、決して反らしたり猫背にならないよう注意してください。両足は床をしっかり踏みます。
まとめ
今回は様々な種目で適切に荷重を支えるための原則的な考え方であるファイブ・ポイント・コンタクトについて紹介しました。
ウェイトトレーニングでは高重量を扱いますが、どこで荷重を受け止めているかをしっかり意識することで、怪我のリスクは格段に減らすことができると言えます。この考え方をそのまま実践するというよりかは、漠然と見よう見まねでトレーニングするのではなく自分自身で頭を使って考えるきっかけになると今後のトレーニングにプラスの影響を与えることができると思います。
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