このページでは、バイク乗り必須の工具を、初心者・中級者・上級者別に紹介していきたいと思います。
また、工具とは別に、便利な消耗品も最後で少し触れたいと思います。
整備を自分ですることで、自分のバイクのことを知ることができます。
そのときに様々な工具が必要になると思うので、このページを是非参考にし、どの工具で何ができるかというのを頭の片隅に入れていただけると幸いです。
最初に揃える工具
ドライバーセット
皆さんお馴染みのプラス・マイナスドライバー等を含むファミリードライバーセットです。
プラスドライバーは、No.0・No.1・No.2の三つのサイズを完備。
だいたいNo.2で事足ります。
たまにNo.3のサイズも必要になりますが、次に紹介しているソケットレンチセットにNo.3のプラスドライバーはあるので、これで事足ります。
ソケットレンチセット
いろいろ詰まった工具セットです。
初心者向け工具の中でも中核をなすものです。
ソケット、ラチェットハンドル、エクステンションバー、ユニバーサルジョイント等が入っています。
また、ドライバーセットには無かったNo.3サイズのプラスドライバーも入っています。
この工具セットで簡単なカスタム・整備は一通りできます。
六角レンチセット
これは説明するまでも無いと思いますが、六角穴ボルトなどに対応した工具です。
とりあえず一つセットを持っておけばいいでしょう。
コンビネーションレンチセット
コンビネーションレンチのセットです。
六角ボルト・ナットの締め付けの際に、ナットを固定しつつボルトを回さないといけないときに、ソケットレンチと組み合わせて使用したりします。
また、ソケットを被せることのできない六角部分(ワイヤ類など)でも使用します。
コンビネーションレンチとは、スパナとメガネレンチを両端に組み合わせたものを言います。
初心者向け工具
エアゲージ
タイヤの内圧を測るのに必要な工具です。
紹介している商品は少し高価なものですが、誤差が少なく、期間がたっても狂わないという意味で、タイヤメーカーであるこちらの商品を紹介しておきます。
プラグレンチ
プラグを緩め、外すときに使用する工具です。
プラグ自体をゆるめるのなら、ディープソケットや、モンキーレンチでも可能ですが、車種によっては、プラグが緩めた後にアクセスし辛い場所にあるばある場合があります。
プラグレンチは、このような場合にも、プラグを緩めた後ホールドする機構がついています。
車種によって使用されているプラグの大きさは違うので、自分のバイクにあったサイズのプラグレンチを買いましょう。
電工ペンチ
灯火類などのカスタムや、簡単な電装系のカスタムに使います。ケーブルの被膜だけを剥ぐワイヤストリッパーと、ギボシなどを圧着させるペンチ部分が一つになっています。
特に、バイクではギボシの圧着の作業は思ったより必要になる場合が多いので、一つ持っておいたほうがいいでしょう。
中級者向け工具
スパナ
スパナを使用しなければならない、という場面はおそらくほとんどありませんが、メガネレンチで対応できないような場所ではスパナを用います。
メガネレンチとの違いとしては、ボルト・ナットとの接地面がメガネに比べて一部分となるので、局所的に力がかかってしまうことです。
メガネレンチ
スパナの項で書きましたが、スパナではボルト・ナットを傷めてしまう場合があるので、基本的にはメガネレンチを使うようにしましょう。
また、メガネレンチは、そのボルト・ナットのサイズに合わせたトルクがかけやすいような大きさに作られています。
そのため、トルクレンチを持っていない場合で、足回りやフレーム等の重要な個所には、最低限メガネレンチを使うようにしてください。
各サイズソケット
込み入った作業をしていくと、ソケットレンチセットのソケットのサイズでは対応できなくなる場合があります。
その場合、必要なサイズのソケットを買いましょう。
必要なサイズのソケットが何かを確認するには、ノギスなどが便利です。
また、ソケットを管理するのに、ソケットレールは必須です!ソケットを個別に買う場合は、既に持ってるラチェットハンドルなどの差込角に対応できるよう注意しましょう。
差込角が違う場合でも、ソケットアダプタなどを使えば対応できます。
ソケットには、6角と12角がありますが、接地面の関係で、6角のほうがしっかりボルト・ナットをホールドしてくれ、傷める可能性が少ないので、6角がおすすめです。
12角のメリットは、被せやすさですが、ラチェットを使う場合はそこまで気にする必要はありません。
トルクスソケットセット
たまに見かける「星型」のネジ穴です。
別名「ヘクサロビュラ」。
基本的にメーカーがあまり触ってほしくないところ等に使用しています。
ここらへんをいじりはじめるなら、トルク管理はしっかりとしたほうがいいでしょう。
トルク管理のためのトルクレンチについては、下を見てください。
こちらの商品は、差込角が全て9.5mmなので、はじめに紹介したラチェットハンドルが使えます。
また、このトルクスソケットは、いじり止めの丸い凸がついたボルトに対応しています。(下画像の丸いくぼみ)
トルクレンチ
トルクレンチとは、あらかじめ設定したトルクがかかると、カチッと音が鳴ったり、軽いショックと共にヘッドの角度が変わり、締め付け完了を知らせてくれる機能がついたハンドルです。
そもそも、全てのネジにたいして、「規定トルク」というものが設定されており、特に足回りなどでは、しっかりとトルク管理しなければ、走行中にネジが外れたりと、最悪命に関わります。
トルクレンチは、商品によって設定することのできるトルクの幅に差があります。
バイクでは、最も大きいトルクが必要な箇所でも100N・m前後なので、その値付近をカバーしてるトルクレンチをまず買うといいと思います。
規定トルクは、サービスマニュアルで全て確認することができます。
上記の商品の設定トルクの幅は、40N・m~200N・mです。
トルクレンチは、下の画像のように、トルクを設定することができる機構がついています。
フックレンチ
ステアリングや、リアサス等で用いられてる、歯車状のナットを締めたりするのに用います。
こちらの商品は可変式で、35mm~75mmに対応しています。
上級者向け工具
特殊工具
車種専用の工具です。サービスマニュアルに必ず書いてあるので確認しましょう。
グラインダー
テスター
エンジン関連
シックネスゲージ
コンプレッションゲージ
バキュームゲージ
タイヤ関連
エアーコンプレッサー
リムガード
ネジ固着関連
貫通ドライバー
貫通ドライバーとは、一般的なドライバーとは違い、ドライバーの柄に座金がついています。
このような構造のため、ドライバーの後ろからハンマーで叩くときに、しっかりと力が伝わる構造になっています。
固着したネジに貫通ドライバーとハンマーで軸力を与えることにより、緩めることができます。
インパクトレンチ
ハンマー
貫通ドライバーを使用するときや、微妙な位置調整をするときに使用します。
上の商品の材質はプラスチックでできており、金属部品の多いバイク本体を変形させてしまうようなことはありません。
その他
ソケットレール
ソケットの項で出てきたソケットレールです。
購入したソケットを管理することができるので、めちゃくちゃおすめです!
特に、プラスアルファで買い足すソケットは大きいサイズが多いと思うので、差込角は12.7mmのものです。以下は私の使用例です。
ソケットアダプター
ソケットの差込角を変えるものです。6.35mm、9.5mm、12.7mmそれぞれの双方向から変えることができるセットです。
モンキーレンチ
モンキーレンチとは、ボルトをつかむ部分の幅が可変式のスパナのことを言います
サイズが可変で確かに便利なのですが、普通のスパナやメガネレンチに比べてなめやすいため、手持ちにサイズが無い場合などに限定して使いましょう。
しかし、サイズが可変ということもあり、車載工具などに向いています。また、ステーなどをはさんで曲げるといった用途にも使えます。
ペンチ
先端が長いものをラジオペンチと言い、そうではないものはペンチと呼びます。
ある程度の力で何かをつかむ必要があったりする場合に使います。具体的な作業と聞かれたら困りますが、割と使っている気がします。
プライヤー
ペンチと違い、つかむ部分の中に楕円状の空洞があります。
これにより、断面が円形のものは、ペンチよりつかみやすくなっています。
こちらもペンチ同様ある作業で必要ということはありませんが、工具箱にはだいたい入ってあるものなので、買っておくといいと思います。
ウォーターポンププライヤー
プライヤーとは違い、つかみ幅を変えることができるプライヤーです。
くわえる力が非常に強力なので、なめてしまったネジの頭をつかんでまわしたら外れることもあります。
ノギス
外径・内径・深さ等を図ることのできる工具です。サイズの確認などに使えるので、一つ持っておくといいと思います。
ワイヤブラシ
錆を落としたりすることのできる金属製のブラシです。チェーン清掃などによく使います。
ラチェットハンドル
ラチェットハンドルは、ソケットを回すための取っ手の部分です。
特に、ラチェットは、ソケットをボルト・ナットに接続したまま回すことのできる機能のついたものになります。
実際に使ってみたらすぐにわかると思います。
ソケットレンチセットにも入っていますが、さまざまなサイズがあるので、いろいろ見てみるといいでしょう。
エクステンションバーについて
エクステンションバーは、ソケットの接続部を延長する棒です。
場所によっては、ラチェットハンドルを入れるスペースが無い場合があります。そのような場合に、エクステンションバーを使います。
T型ハンドル
各種ソケットと合わせて使えるT型のハンドルです。
差込角は9.5mmなので、初心者向けのページで紹介したソケットセットが使えます。
ラチェットメガネレンチ
ラチェット機構のついたメガネレンチです。
サイズの小さいボルト・ナットには、締めるのに十分なスペースが取れない場合があります。
そういう場合でも効率よく締めることができます。
手動給油ポンプ
手動の給油ポンプです。
車種によってはフューエルコックがついてないものもあるので、タンクを下す際にタンクの中のガソリンを抜くのに使います。
また、ツーリングに持っていけば、ガス欠になったバイクにガソリンを分けたりすることもできます。
携行缶
携行缶です。
タンクから抜いたガソリンを一時保管する場合や、廃油を一時保管したりする用途で使います。
また、ボトルタイプでは、ツーリングに持参したりすることができ、ガス欠の際の非常用ガソリンとなります。
スタンド・ジャッキ
メンテナンススタンド(リア)
センタースタンドの無いバイクの整備に大活躍です。
チェーン清掃やリアタイヤ関連の作業に必要です。
しかし、スウィングアームで支えているので、リアサスやスウィングアームの交換などになると、リアのメンテナンススタンドでは対応できなくなります。
メンテナンススタンド(フロント)
ステアリングのアンダーブラケットの部分にかけるタイプのフロントのメンテナンススタンドです。
フロントタイヤや、フロントフォークの交換に必要です。
ジャッキ
簡単な整備ならメンテナンススタンドで対応できますが、リアサスやスウィングアーム交換等の作業になると、ジャッキが必要になってきます。
また、ジャッキでもリアの整備は可能ですし、なによりメンテナンススタンドに比べてコンパクトなので置き場所に困りません。
センタースタンドがあるバイクならば、ジャッキをかけることで、フロントフォークからステアリングまでフロント回り全てを取っ払うことも可能です。
ボックス・ワゴン
ツールボックス
それぞれ個別の工具を一まとめにすることができる工具箱、ツールボックスです。
持ち運びも便利になるので、一つ買っておきましょう。今回紹介してる商品は、間口×奥行×高さ:35cm×15cm×12cmと、比較的小さいサイズになりますが、初心者向け工具ならば、十分入る大きさになります。
将来的なことを考えもう少し大きいのが欲しいという方は、様々なサイズがあるので一度調べてみてください。
ワゴン・キャビネット
工具が更に増えてくると、管理が大変になってきます。
その時に便利なのが、ワゴンやキャビネットです。ある程度スペースをとるので、ガレージがある人向けですね。
様々なタイプのワゴン・キャビネットがあるので、自分にあったものを探してみてください。
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